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“カチョ エ ぺぺ”バッカラ(干し鱈)とタジャスカ オリーブ

スパゲットーネ カステルマーニョを使った

“カチョ エ ぺぺ”バッカラ(干し鱈)とタジャスカ オリーブ ~’21 Xmasコースより~

 

カチョエペペと言うパスタをご存知だろうか?

私の知る限り西麻布にあるアルポルトと言うレストランのオーナーシェフ片岡氏が初めて日本で披露したと思う。

それから瞬く間に多くのレストランで提供される様になり、粉チーズ(ペコリーノチーズ)と黒胡椒だけの賄いパスタを商品にした事の是非に 戸惑った事を覚えている。

(ただチーズ+胡椒は非常に麻薬的で私自身も好きな組み合わせ)

 

以前から一度試みたいと考えていた所

2021年のクリスマスのテーマ“〇〇と黒”に対応出来ると思い作り始める。

先ずパスタ。チーズ+胡椒の組み合わせから考えてリッチな料理じゃ無いのでパスタは市販のスパゲッティ同様セモリナ粉と水で作る。(セモリナなのでグルテン量多く、コシが出易いので塩は使わず)

このパスタを作る際、水の量は粉50%が一般的とされているが個人的に食感がビミョーな為

今回は加水率40%で作成。結果は予想通り。(捏ねた感触から35〜30%辺りまで減水出来そうなのでいつかチャレンジ予定)

 

コース料理のパスタはあくまでも“数皿ある内の1皿”なので他の皿との調和を考え、全体のバランス崩さない様に考慮するのだが、今回使う食材は皆ボンヤリしたはっきりしないモノばかりで、尚且つスタートから4皿目と食べ手も飽き始める頃なので少しパンチを効かせた仕立てを目指す。

 

先ずニンニクについて。

イタリアのパスタの本を眺めていると時々“オリーブ油が充分温まったらニンニクを投入する”と書いてある。

私は“フライパンに油とニンニク入れてから火をつける=冷たい油にニンニク入れる”と教わって来たので、これにはいつも?だったが大変興味があったので今回トライ。行ってみると、香りの立ち方が全然違う。今迄のやり方だと頼り無い程度の香り、そして味も生ニンニク特有の刺激臭とエグミが出ていたが、今回のやり方だと充分過ぎる程香り立ち、尚且つその風味は香ばしいカラッとしたキレのある味に仕上がった。(因みに当店のパスタは1人前35gの生パスタでディナースプーン1杯程度のオリーブ油にニンニクスライス5枚位。ニンニク、油は多いと胸焼けするので極力少なくしています)

バッカラ(干し鱈)はしっかり塩抜きしたら少量のニンニクと共に牛乳で沸騰させない様に加熱茹で上がったら白一色になる様、血合い、骨、薄皮等外しスタンバイ。

チーズは調理中、混ぜ込む用と仕上げのトッピング用の2つを用意。チーズは外側から中央に向かって熟成進むので、外皮含む外側部分を使う事で非常に個性的な香り豊かな皿に仕上がる。トッピング用は見た目だけなので(ここに味を求めるとパスタの味とチーズの味2つが明確になり、とても安っぽい味になるので…)中心に近い熟成若い白い所を使用。

タジャスカオリーブはオリーブ特有の苦味で一呼吸置く意(お寿司のガリみたいなモノ)とテーマの黒を意識して。

そして今回のパスタ、タカノツメ(ペペロンチーノ)は使用せず白胡椒を加えて渇いた、ドライな辛味を意識したのが個人的工夫であり、好きな所。

最後に作り方を簡単に

フライパンにオリーブ油入れ火にかけ温まったらニンニクスライス(ニンニクは切り置きすると香りが飛ぶので使う直前にカットする)入れ香り立たせたらフュメ(魚の出汁。当店は魚のアラと塩のみ)入れ鍋の温度を落とし胡椒と刻んだオリーブ、鱈入れる。パスタを入れ下味を付けたらカステルマーニョを加え完全に溶かしたら皿に盛り、上からチーズ、乾煎りして砕いた黒胡椒散らす。。こんな感じ。

 

 

Ristorante Per Amor di Carissima

 

東京都国立市中1-10-32 

Cube Kunitachi 2F

 

JR中央線 国立駅 nonowa口より徒歩5分

 

042-575-6803

営業時間
【Lunch】11:30~14:30(L.O13:00)
【Dinner】17:00~22:00(L.O19:00)
定休日

月曜 、 他不定休あり